ベトナムでビジネスを・・・

既にご存知の方も多いかと思うのですが、日本の新幹線の導入についてベトナム国会で
保留ということになってしまいました。

国家の方針として発表していたのに国会で否決されるというのはベトナムでもかなり異例のことのようです。

5月には前原大臣も訪越し、トップ営業を行っていたにも関わらず最終的に否決されてしまう
というのは本当に異例の事態だと思います。

真相は分かりませんが、いろいろな原因が考えられます。僕は日本人ですので、当然日本の
技術を活かした高速鉄道がベトナムを縦断するというのは是非行って欲しいです。きっと
僕のビジネス面でも多少は追い風になると思います。

ただ、現実的に考えてみると、20年後にハノイとホーチミンを結ぶ高速鉄道が本当に

ベトナムに必要か？ということです。

仕事は緊急度と重要度の2面から考慮しながら進めなさいと新卒時代に言われた人も多いかと
思うのですが、その視点で言うとベトナムにおける新幹線は重要度は高いかもしれないけど、
緊急度はかなり低い案件です。

日本の東海道新幹線ができたとき、同様に高度成長期の真っただ中でしたが、当時と違い、
飛行機に乗るなんてことはほとんどの人が経験したことが無いような時代です。現在
東京～大阪間は1時間に数本の飛行機が行き来しているのと同じように、ハノイ～ホーチミン
間も飛行機が1時間に数本飛んでます。

また、東京～大阪間は500kmほどで、3時間程度で結ぶことができ、飛行機に乗って
移動する場合の待ち時間を足してと比べると大差がないですが、ハノイ～ホーチミン
は1700kmと3倍以上の距離があります。飛行機なら2時間弱、新幹線なら5，6時間は
かかるはずです。

また、今はまだ中部エリアなど未発達な地域も多く、今、ベトナムに新幹線が必要ですか？と聞かれたら

中部エリアを発展させるためにも僕は必要ですと言い切れますが、20年後に
ベトナムに新幹線が必要ですか？と聞かれたら正直なところ「？」です。

というのも、このベトナムの急速な発展ぶりを見ている中で、20年先なんて予想もでき
ないくらい発展していることが予想される中、本当に20年後も南北間の移動には高速
鉄道が欠かせないかどうかは分からないからです。

ベトナムは本当に急成長している国です。ホーチミンやハノイ市内の交通渋滞緩和のためや
港湾整備など急成長を支えるためにより緊急度の高い案件が目白押しです。

日本とベトナムがさらに親しい付き合いをしていくために、何が緊急に必要なのか、
また、何を一緒に作り上げていくべきなのか、もっと考え話しあわないといけないの
かもしれないですね。

それ以外にも原因はいろいろと予想できますが、それはまた別の機会に。